Autism Research Institute

ファミリー・イマージョン モデル:キャシー・セローシ博士へのインタビュー

ステファン(スティーブ)・エデルソン 博士

2007 年四月

スティーブ:キャシー、ファミリー・イマージョン モデルのサービスが、従来の自閉症スペクトラムの子供を持つ家族に対するサービスとどのように異なるか説明してくれますか。

キャシー:自閉症スペクトラムの子供、あるいは障害を持つ子に対する介入が成功してるかどうかという最も強力な印の1つは、家族が子供のゴールをどれだけ完璧に話すことができ、効果的な方法を日常生活に持ち込むことができるかという点にあります。ファミリー・イマージョン モデルの影響力のある点は、家族の一人一人が新しい学習ができ、その後も学習したスキルを保てるというところです。家族はしばらくの間、たいてい一週間、家を離れて生活します。ユニークな環境と専門家のサポートの下家族の抱える問題に良い変化が見られるでしょう。これは、しばしば従来のサービスで手に入りにくいものです。ファミリー・イマージョン モデルは、家庭環境やコミュニティにおいて家族を指導しながらライフスタイルを教えるものです。家庭環境における日々の生活、またはコミュニティにおいて、子供を指導しながら家族に自信や能力を与えるよう意図されているモデルです。「現実の生活の状況」に焦点を合わせることで、このモデルは家族を力づけ自信を回復させる手助けをします。

このモデルのゴールは、それぞれの家族の子育て方法にあった効果的な方法を追求、見出すことによって、家族の関わり方のスキルを指導することです。これにより、このモデルは必ず家族に定着し、子供は発達にあった進歩を遂げます。専門家は、セオリーを家族が日々実践でき、理解しやすく、将来の生活が改善できるような方法に変更します。このモデルを実践している専門家は、家族関係を強め、はぐくみながら、子供が障害を持つ分野を補強する方法を家族に教えます。両親は家庭生活を邪魔されることなく、生活の質をあげるような代替案を見出し、改善することを学びます。専門家は家族が日々直面する困難に拘らず、家族でいることを楽しめるような手助けをします。この効果的なモデルは家族全員が気持ちよく過ごせる家庭環境を作り出します。ユニークな環境と専門家のサポートの下、日々過ごすことで、家族自身も急かされることのなく、セラピー的な生活スタイルに浸る事ができます。

ファミリー・イマージョン モデルでは専門家は両親と密着し、日常生活のあらゆる点における観察事項や専門知識を話し合います。たとえば、専門家は家族と食品店に買い物に行ったり、レストランで一緒に食事をしたりします。家族は外出のプラン、アクティビティの移行、アクティビティの難しさや楽しさといった外出におけるすべての部分で指導を受けることができます。家族の多くは、ヘアカット、動物園に行く、家の中のことをするなどコミュニティに根ざしたでの行動で苦労しています。このモデルの専門家はこのような日常生活において起こる問題に家族がうまく対処できるよう手助けをします。

スティーブ:ファミリー・イマージョン モデルと家で行うサービスとの違いは何しょうか。

キャシー:イマージョン(宿泊)指導の間、日常生活のルーティーンと日々の決まったパターンがなくなることで家族全員が変化という1つの刺激を受けます。日々の決まったルーティーンがなくなるということは、選択や決定を行わなくてはならないということです。「ルーティーン」は行動を選択しません。家族が行動を選択するのです。この宿泊の経験は家族のルーティーンから離れるという稀な機会を作り出し、そこから生じる困難な分野に着目すると同時にどんな方法が子供の成長を促し、どんな方法が成長を妨げるかについて考えます。また、家族が日常の仕事やルーティーンに戻った後も、家族のゴールで優先すべきことや、そのゴールを達成するためのいろいろな方法について新しい視点で考えられます。

イマージョン(宿泊)体験の後、家族の1人の障害の診断が家族全体のシステムにどう影響するかを家族が理解します。最もなことですが、家族の1人が何らかの発達遅延の診断を受けると、子供を指導する際の最良の方法を知らないことが子育てにおいて大変な問題になります。このため、このイマージョン(宿泊)体験の意図は、両親が子供の能力を開花させる方法を判断し、子供の発達を促す体験を決定して行う手伝いをすることです。このモデルのゴールは、子育てのスタイルや方法を見直し、子供を育てるにあたっての家族の将来のビジョンや能力を見出す手助けをすることです。

スティーブ:ファミリー・イマージョン モデルで両親はどんなサービスを期待できますか。

キャシー:家族は子供の障害が生活や仕事の妨げになることなく、生活の質を向上させるような指導を受けます。このモデルの意図は、両親が子供の発達において最も影響力のある存在でいられるようにすることです。両親は子育ての責任の重圧に苦しむだけでなく、子育ての楽しみを再発見できるようになります。このモデルの専門家は、両親と協力し、子供の長所を伸ばし、困難な点をサポートするといった今までと違った視点で子供を考えるよう促します。

また、このモデル>により両親はお互い子供との個々の違った関係を理解しながら、質問をしたり、考え方を言い合ったり、考えながら論議をするといった機会が得られます。ここがファミリー・イマージョン モデルの大変優れた点です。従来のセラピーのセッションでは片親のみがセラピーや会議に参加し、もう片方の親は子供の世話をしたり、仕事に行ったりします。そのため、通常片親のみが新しい情報を聞き、もう片方に伝えるといった責任を負うことになります。反対に、(関わっていない)片方の親は子供と引き離されたような気持ちになり、自分の役割に疑問を持つことが多くなりがちです。イマージョン(宿泊)体験 によって体験を分かち合うことにより両方の親が均等に子育てに貢献、学習し、同じレベルの理解を持つことになります。どちらの親も子供に対して違う心配ごと、期待、適応力を持つのは当然のことです。この宿泊経験を通して、両方の親が、子供の成長を助ける際に、それぞれの能力と見方を均等化する方法を学びます。

このモデルの核となるゴールは、両親が自分の能力と自信を見出すために安全な環境を作り出すことです。自閉症スペクトラムの子供を持つ家族は、セラピー、医学的な治療、食事療法、また教育において多くの決定をする必要があります。このイマージョン(宿泊)体験は、自閉症児に対する効果的な多くのサービスに代わるものではありません。しかし、この体験の後両親はサービスプロバイダーとうまく共同して取り組めるようになるかもしれません。両親の中には自分たちの能力や自信が向上したため、外注のセラピーを減らしたと報告してきた人もいます。このモデルは、方法論ではなく、両親がどうやって生活の質を向上させ、家族に最もあった決定を合意の上行えるかといったライフスタイルのアプローチです。

スティーブ:ファミリー・イマージョン モデルは家族全員を対象にしていますか。

キャシー:このモデルは家族全員を対象にしています。家族中心の介入の際、家族は全員の子供を連れてくるよう促されます。このことは専門家が家族全体のシステムを理解するのに役立ちます。「実際の生活」のように、子供達全員がその日のアクティビティを行うようにします。兄弟たちの多くは、この宿泊体験に大変感謝します。しばしば、兄弟たちは柔軟性を持ち、柔軟性のない兄弟の欠点を補うよう期待されます。たいてい、兄弟達はとても親切で、障害のある子供を助けようとし、役立つ存在であることを喜んでいます。彼らは両親が障害を持つ子供と多くの時間を過ごすことに不満を感じており、両親が新しい方法を学び、自分たちと過ごす時間ができることで安心することが非常に多いのです。

スティーブ:なぜ、ファミリー・イマージョン モデルは成功するのですか。

キャシー:このモデルがうまくいく理由は、両親が子供や家族の成長や発達において、再び中心的な存在になるよう力づけられるからです。家族との関係を発展させつつ、日常生活で実践的にサポートや指導を受け られます。家族はどの体験が子供の障害と関係あり、どの体験が関係ないかに気づきます。親がこの重要で基本的な区別ができるようになると、毎日の子供との関わりにおいて子供の発達を促す体験を作り出すことができるようになるのです。

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